家を買うと、毎月の住居費は、ローンの返済額だけでは終わりません。固定資産税・保険・修繕など、あとから出る費用があります。
そこでこの記事では、住宅ローン以外にかかる費用を、毎月・毎年・数年ごとに分けて整理しました。同じ家計の架空の例で、月あたりに直した金額と、数字を変えたときの影響も見ています。
先に結論を言うと、この例のローン以外の費用は、月約2.1万円でした。大きな修繕を月に直すと約3.5万円で、ローンの返済額の約4割に当たります。
この記事でわかること
- ローン以外にかかる費用の種類と、月に直す考え方
- 各項目の数字を変えたときの、85歳の預貯金への影響
- 見積もりを取るときに、確かめる点
運営者は、福岡県に住み、中古住宅(中古+改修)を検討している個人です。購入した実績や、FP・金融機関の資格はありません。詳しくは運営者情報に書いています。個別の保険や税額の相談には、お応えできません。
結論:ローン以外の費用は、返済額の約4割になる
架空の家計例中古+改修(総額3,400万円・借入3,100万円・変動金利1.2%・35年)の例です。ローンの返済は月9.04万円で、ローン以外の費用を、月に直して並べました。
中古+改修の月あたりの住居費(万円・架空の例)
架空の家計例。大きな修繕は、200万円を12年で割った月換算です。
| 月あたり | 中古+改修 | 新築 | 賃貸 |
|---|---|---|---|
| ローン/家賃 | 9.04万 | 9.04万 | 8.00万 |
| 固定資産税等 | 0.83万 | 1.00万 | ― |
| 火災・地震保険 | 0.25万 | 0.33万 | 0.13万 |
| 修繕の積立 | 1.00万 | 1.00万 | ― |
| 更新料(月換算) | ― | ― | 0.33万 |
| 大きな修繕(月換算) | 1.39万 | 0.83万 | ― |
| 合計 | 12.52万 | 12.21万 | 8.46万 |
架空の家計例(総額3,400万円・借入3,100万円・35年・変動1.2%)。表の「万」は万円です。大きな修繕は、中古200万円を12年、新築150万円を15年で割った額です。
ローン以外の費用は、中古で月約2.1万円(固定資産税等・保険・修繕の積立)です。大きな修繕を月に直すと、約3.5万円になります。ローン9.04万円の、約4割に当たる額です。
ツールの「毎月の住居費(初年)」には、大きな修繕と更新料は入りません。年ごとの内訳では、その費用が出る年に、まとめて表れます。
この記事の数字の出どころ(3つに分けて載せます)
お金の話では、数字がどこから来たのかが分からないと、判断のしようがありません。この記事の数字は、次の3つに分けて表示します。
| 区分 | 意味 | この記事での例 |
|---|---|---|
| 公的・一次情報 | 国や公的機関が公表している情報。出典と確認日を付けます | 固定資産税・都市計画税の税率としくみ |
| 運営者の体験 | 運営者自身の体験。匿名化し、金額は丸めます | この記事では使っていません |
| 架空の家計例 | 条件を決めて作った計算例。実在の世帯ではありません | 各費用の金額と、85歳の家計への影響 |
公的な情報は、2026年10月5日に公式ページで確認しました。税額・保険料・修繕費の金額は、物件で大きく変わります。この記事の数字は、架空の例です。
ローン以外にかかる費用の種類
ローン以外の費用は、出る頻度で分けると整理しやすくなります。
| 頻度 | 費用の例 | 入れ方 |
|---|---|---|
| 毎月 | 修繕の積立、管理にかかる費用 | そのまま月額で入れる |
| 毎年 | 固定資産税・都市計画税、火災・地震保険 | 年額を12で割る |
| 数年〜十数年ごと | 屋根・外壁・設備の修繕、賃貸の更新料 | かかる年数で割る |
| 一度だけ | 諸費用・改修費・引っ越し | 購入時の費用に入れる |
諸費用の内訳は、別の記事で整理しています。
一度だけかかる費用は、中古住宅の諸費用の記事で整理しています。この記事では、購入のあとに、続けてかかる費用を扱います。
固定資産税・都市計画税
公的・一次情報固定資産税は、市町村が課す税です。標準税率は1.4%で、評価額に税率をかけて計算します。住宅が建つ土地には課税標準の特例があり、200㎡までの小規模住宅用地は価格の6分の1、一般住宅用地は3分の1です。
都市計画税は、市街化区域内の土地と建物にかかる税で、税率は0.3%までです。住宅用地の課税標準は、小規模住宅用地で3分の1、一般住宅用地で3分の2になります。出典は、国土交通省の「土地に関する税制」です(確認日:2026年10月5日)。
実際の税額は、物件の評価額と所在地で決まります。中古住宅は、売主や不動産会社に、直近の年額を聞いておくと確かです。この例では、年10万円(月0.83万円)としました。
火災・地震保険
保険料は、建物の構造・築年数・補償の範囲・地域で変わります。ローンの契約で、火災保険への加入を求められることがあります。年額は、見積もりを取って確かめる数字です。この例では、年3万円としました。
修繕の積立と、大きな修繕
戸建ては、マンションと違い、修繕積立金が自動では引かれません。自分で積み立てる必要があります。この記事では、細かな修繕のための積立を月1万円、大きな修繕を別に200万円(12年後)と置きました。
どちらも、運営者が置いた仮の数字です。公的な基準値ではありません。中古は、築年数と状態で、必要な額が大きく変わります。購入前の点検や見積もりで、確かめてください。
住居費に入れない、そのほかの費用
光熱費・駐車場・車の維持費・町内会費なども、家に関わる費用です。ツールでは、光熱費と車の維持費は、生活費の側に入れています。駐車場が別にかかる場合は、「毎月・毎年の支出」の欄に足してください。
計算に使った家計の前提
架空の家計例実在の世帯ではありません。条件は、比較ツールの入力欄と対応しています。入力の順番は、ツールの使い方の記事で説明しています。
| 項目 | 想定 |
|---|---|
| 世帯 | 本人35歳(額面年収520万円・手取り400万円)、配偶者33歳(額面150万円・手取り140万円)、子ども4歳と1歳 |
| 預貯金・投資 | 500万円(運用利回りは年1%) |
| 生活費・教育費 | 生活費は月17万円。教育費は、年齢に応じて月2万〜10万円(1人あたり) |
| 中古+改修 | 物件2,800万円、改修400万円、諸費用200万円。自己資金300万円、借入3,100万円。固定資産税等10万円・保険3万円(年額)、修繕の積立は月1万円、大きな修繕は200万円(12年後) |
| 新築 | 物件3,200万円、諸費用200万円。自己資金300万円、借入3,100万円。固定資産税等12万円・保険4万円(年額)、修繕の積立は月1万円、大きな修繕は150万円(15年後) |
| 賃貸 | 家賃8万円(管理費込み)、更新料1か月分を2年ごと、家財保険は年1.5万円 |
| ローン | 変動金利1.2%、35年、元利均等返済 |
架空の家計例。物価や賃金の上昇は考えていません。比べる85歳時点は、本人が35歳から50年後です。
各項目の数字を変えると、85歳の家計はどう変わるか
架空の家計例中古+改修の例で、ローン以外の費用を1つずつ変えました。数字は、85歳時点の預貯金・投資です。この記事の例は、924万円です。
| 項目 | 変えた数字 | 85歳の資産 |
|---|---|---|
| 修繕の積立(月) | 0.5万円 | 1,321万円 |
| 修繕の積立(月) | 2万円 | 131万円 |
| 修繕の積立(月) | 3万円 | −641万円(76歳) |
| 固定資産税等(年) | 7万円 | 1,122万円 |
| 固定資産税等(年) | 15万円 | 594万円 |
| 固定資産税等(年) | 20万円 | 263万円 |
| 火災・地震保険(年) | 1.5万円 | 1,023万円 |
| 火災・地震保険(年) | 6万円 | 726万円 |
| 火災・地震保険(年) | 10万円 | 461万円 |
| 大きな修繕 | 0円 | 1,216万円 |
| 大きな修繕 | 400万円 | 632万円 |
架空の家計例。基準の例は、積立月1万円・固定資産税等年10万円・保険年3万円・大きな修繕200万円で、85歳の資産は924万円です。カッコ内は、足りなくなる年齢です。
月1万円の違いは、小さく見えます。ただ、修繕の積立を月1万円増やすだけで、85歳の資産は約800万円減りました。50年間では、600万円の差になり、運用の差も加わるためです。
固定資産税等と保険は、年額の変化が大きいほど、影響も大きくなります。購入前に、直近の税額と保険の見積もりを、必ず確かめておきたい項目です。
住居費を、家計に入れる手順
- ローンの返済額を、月額で出す
- 固定資産税・都市計画税と保険料の年額を調べ、12で割る
- 修繕の積立を、月額で決める
- 大きな修繕の費用と時期を、見積もりから決める(数年ごとの費用は、年数で割って月に直す)
- 合計を、手取りの月額と比べる
手取りの月額に対して、住居費の合計が占める割合を先に出すと、家計の全体が見えます。借入額の決め方は、年収の何倍までの記事で見ています。
賃貸の費用で、見落としやすいもの
賃貸にも、家賃以外の費用があります。この記事の例では、更新料(家賃1か月分を2年ごと)と、家財保険を入れました。月に直すと、家賃8万円に約0.46万円が加わります。
- 更新料(地域と契約で違う)
- 引っ越しのたびの、敷金・礼金・仲介手数料・退去時の費用
- 家賃の改定
- 駐車場代(別契約の場合)
引っ越しのたびにかかる費用は、この計算には入っていません。賃貸と購入の違いは、賃貸と持ち家を比べた記事で見ています。
賃貸を続ける、購入を延ばすという選択
購入後の費用が心配なら、購入を延ばして、準備する方法があります。賃貸の間に、気になる地域の固定資産税の目安や、保険の見積もりを取っておくこともできます。
見積もりと数字が手元に揃ってから、判断すると、購入後の「想定外」を減らせます。3案をまとめて比べるときは、中古と新築を比べた記事を読んでください。
この記事でできないこと
この記事は、ローン以外の費用の入れ方を、簡易な計算で見るものです。次のことは、扱っていません。
- 実際の税額・保険料・修繕費の見積もり
- 新築住宅の税額軽減などの、特例の個別の計算
- マンションの管理費・修繕積立金
- 物価の上昇による、費用の増加
- 引っ越し・家具・家電の費用
目的は、ローン以外の費用を、家計に入れ忘れないことです。実際の金額は、見積もりと通知書で確かめてください。
固定資産税・都市計画税の税率と住宅用地の特例:国土交通省の「土地に関する税制」。
このページの計算は、簡易なものです。実際の金額は、物件と契約の条件で変わります。税や保険の相談の代わりにはなりません。
よくある質問
住宅ローン以外に、毎月いくらかかりますか?
物件で大きく変わります。この記事の例では、固定資産税等・保険・修繕の積立で月約2.1万円、大きな修繕を月に直すと約3.5万円でした。自分の物件の数字は、見積もりで確かめてください。
固定資産税は、いくらくらいですか?
評価額と所在地で決まります。標準税率は1.4%で、住宅用地には特例があります。この記事の例は、年10万円です。中古住宅は、売主や不動産会社に、直近の年額を聞くと確かです。
戸建ての修繕費は、いくら積み立てればよいですか?
公的な基準はありません。築年数と状態で変わります。この記事では、月1万円の積立と大きな修繕200万円(12年後)を、仮に置きました。購入前の点検と見積もりで、確かめてください。
火災保険は、必ず入りますか?
法律上の義務ではありません。ただ、ローンの契約で、加入を求められることがあります。補償の範囲と保険料は、見積もりを取って比べてください。
住居費は、手取りの何割までにすればよいですか?
一律の数字はありません。家族の人数・教育費・車の有無で変わります。借入額の決め方は、年収の何倍までの記事で、手取りから逆算する手順を載せています。
運営者は、FPや金融機関の資格を持っていますか?
持っていません。個人が運営しています。個別の保険や税額、ローンの相談には、お応えできません。数字は、公的情報・運営者の体験・架空の例を分けて表示しています。
まとめ
ローン以外の費用は、毎年・数年ごとの分まで含めて、月に直すと見えやすくなります。この例では、ローンの返済額の約4割に当たりました。
次にすることは、気になる物件の固定資産税の年額と、保険の見積もりを調べることです。数字を入れて確かめるときは、比較ツールを使ってください。


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