中古住宅の諸費用はいくら?内訳と払えないときの考え方

中古住宅の諸費用はいくら?内訳と払えないときの考え方

中古住宅を探し始めると、物件の価格のほかに「諸費用」がかかると知ります。現金で足りるのか、何にいくら払うのか、よく分からず不安になるものです。

そこでこの記事では、2,800万円の中古住宅を例に、諸費用の内訳を項目ごとに並べました。国や県が決めている部分と、金融機関や会社で変わる部分を分けています。

数字は、公的情報と架空の例の2つに分け、出典と確認日を付けています。この記事の金額は、運営者の実績ではありません。

先に結論を言うと、この例の諸費用は約193万円でした。公的に決まる項目は小さく、差が出るのは、仲介手数料・保険・ローンの手数料です。払えないときは、減らす・借りる・延ばすの3つを考えます。

この記事でわかること

  • 諸費用の項目と、支払う相手・時期
  • 仲介手数料や税金の、公的な決まり方と計算の例
  • 払えないときの選択肢と、賃貸継続・購入延期の考え方

運営者は、福岡県に住み、中古住宅(中古+改修)を検討している個人です。購入した実績や、FP・宅建士などの資格はありません。詳しくは運営者情報に書いています。この記事の金額は、検討のための物差しとして作った架空の例です。

目次

結論:この例の諸費用は約193万円。差が出るのは3項目

架空の家計例物件価格2,800万円の中古戸建てを買い、借入3,100万円・変動金利1.2%・35年で借りる例です。諸費用の合計は約193万円で、物件価格の約7%でした。

金額が最も大きいのは、仲介手数料の99万円です。ただし、これは国の告示で決まる上限の計算です。実際の額は、見積書で確かめます。

差が出やすいのは、仲介手数料・火災や地震の保険・ローンの手数料です。とくにローンの手数料は、金融機関の方式で大きく変わります。この例では11万円と置きましたが、借入額の2.2%の方式なら68万円です。

中古と新築を比べた記事では、諸費用を200万円と置きました。この記事の193万円を、余裕を見て丸めた数字です。

内訳の一覧

項目支払う相手金額(万円)決まり方
仲介手数料不動産会社99告示の上限
売買契約書の印紙税国1公的
ローン契約書の印紙税国2公的
登録免許税国約17公的
司法書士の報酬司法書士10事務所ごと
不動産取得税福岡県12公的
ローン事務手数料(定額型)金融機関11金融機関ごと
火災保険・地震保険保険会社30会社ごと
固定資産税の精算金売主5日割り
建物状況調査調査会社6会社ごと
合計約193

架空の家計例。登録免許税は16.6万円を丸めた数字です。引っ越しや家具・家電、改修費は入っていません。

この記事の数字の出どころ(3つに分けて載せます)

お金の話では、数字がどこから来たのかが分からないと、判断のしようがありません。この記事の数字は、次の3つに分けて表示します。

区分意味この記事での例
公的・一次情報国や公的機関が公表している情報。出典と確認日を付けます仲介手数料の上限、印紙税、登録免許税、不動産取得税
運営者の体験運営者自身の体験。匿名化し、金額は丸めますこの記事では使っていません
架空の家計例条件を決めて作った計算例。実在の世帯ではありません物件価格、評価額、ローン・保険の金額

公的な情報は、2026年10月5日に公式ページで確認しました。軽減措置には期限があり、税制改正で変わることもあります。実際に使う前には、最新の公式情報を見てください。

ローンの手数料や保険料は、金融機関や会社が決めます。公的な基準はないため、この記事では架空の金額で置きました。

諸費用を、支払う相手ごとに見る

諸費用は、支払う相手で分けると見えやすくなります。この記事では、不動産会社・国・県・金融機関と保険会社・売主やそのほか、の5つに分けて見ていきます。

不動産会社へ:仲介手数料(上限は国の告示で決まる)

公的・一次情報売買の仲介手数料には、国の告示で上限があります。上限は、売買代金(消費税を除く)を3つの区分に分けて、次の割合で計算します。

売買代金の区分上限の割合(消費税込み)
200万円以下の部分5.5%
200万円を超え400万円以下の部分4.4%
400万円を超える部分3.3%

出典:建設省告示(確認日:2026年10月5日)。売主と買主のそれぞれに、この上限が当てはまります。

400万円を超える物件では、上の割合から、速算式ができます。売買代金×3%+6万円に、消費税を足した額です。

架空の家計例2,800万円の物件なら、(2,800万円×3%+6万円)×1.1=99万円が、上限の額です。

決まっているのは、上限です。実際の額は、不動産会社との契約で決まります。見積書で、計算の根拠を確かめてください。

売買代金が800万円以下の「低廉な空家等」には、2024年7月から、別の特例があります。上限は、30万円の1.1倍の33万円です。

売主が不動産会社の物件は、仲介が入らず、手数料がかからない場合もあります。

国へ:印紙税・登録免許税と、司法書士の報酬

公的・一次情報印紙税は、契約書にかかる税金です。売買契約書は、契約金額が1,000万円超から5,000万円以下なら、軽減措置で1万円に下がります。2027年3月31日までに作る契約書が対象です。ローンの契約書は、同じ金額帯なら2万円になります。

登録免許税は、登記のときの税金です。住宅用家屋の軽減では、所有権の移転が0.3%、抵当権の設定が0.1%です(2027年3月31日までの登記)。土地の所有権の移転は、1.5%に軽減されています(2029年3月31日まで)。

住宅用家屋の軽減には、自己居住用や床面積などの要件があります。市区町村の証明書も必要です。

架空の家計例課税の基になる固定資産税評価額は、土地800万円・建物500万円と置きます。所有権の移転は、土地が12万円、建物が1.5万円です。抵当権の設定は、借入3,100万円の0.1%で3.1万円です。合計は、約17万円になります。

登記の手続きは、司法書士に頼むのが一般的です。報酬は事務所で違います。この例では、10万円と置きました。

県へ:不動産取得税(入居後に通知書が届く)

公的・一次情報不動産取得税は、不動産を取得したときに、都道府県が課す税金です。福岡県の案内(確認日:2026年10月5日)では、住宅と土地の税率は3%です(2027年3月31日までの取得)。

宅地は、評価額が2分の1になる軽減があります。中古住宅は、建てられた年月日で決まる額を、評価額から差し引けます。1997年4月1日以降の建物は、1,200万円です。

住宅用の土地には、さらに減額の仕組みがあります。要件や額は、県税事務所で確認してください。

架空の家計例建物の評価額500万円は、控除の範囲に収まり、税額は0円です。土地は、評価額800万円の2分の1の400万円に3%をかけて、12万円です。減額が使えれば、これより下がります。この例では、安全側で12万円を見込みます。

通知書は、取得から少し時間をおいて届きます。入居後の支払いなので、現金を残しておく必要があります。

金融機関・保険会社へ:ローンの手数料と保険

ここは、公的な決まりがなく、金融機関や会社が決めます。同じ借入額でも、金額が大きく違います。

  • ローンの事務手数料:定額の金融機関と、借入額の何%かを払う金融機関があります
  • 保証料:保証会社に払う費用です。金利に含まれる型と、別に払う型があります
  • 団体信用生命保険:保険料が金利に含まれる場合と、別に払う場合があります
  • 火災保険・地震保険:建物の構造・築年数・補償・年数で変わります

架空の家計例事務手数料は、定額型で11万円と置きました。借入額の2.2%の定率型なら、3,100万円で68万円です。差は57万円になります。

火災保険と地震保険は、この例では30万円と置きます。複数社の見積もりで比べてください。保証料と団信の保険料は、金利に含まれる型を想定し、0円としました。

売主・そのほか:精算金・調査・引っ越し

固定資産税は、その年の分を、売主と日割りで精算することが多くなります。年額10万円の物件で、取得後の半年分なら、約5万円です。

建物状況調査(インスペクション)を頼む場合は、費用がかかります。この例では、6万円としました。

引っ越しや家具・家電には、諸費用とは別に現金が必要です。この記事の193万円には、入っていません。改修費も入っていません。

支払う時期は、4つに分かれる

諸費用は、一度にまとめて払うわけではありません。時期を知っておくと、手元の現金の計画が立てやすくなります。次の表は一般的な流れで、会社や金融機関で異なります。

時期主な支払い
売買契約のとき手付金(代金の一部に充てる)・売買契約書の印紙税・仲介手数料の一部(会社による)
ローンの契約のときローン契約書の印紙税・事務手数料(実行時に差し引く金融機関もある)
決済・引き渡しのとき残りの代金・仲介手数料の残り・登記の税と報酬・保険料・固定資産税の精算金
入居後不動産取得税・引っ越し・家具・家電

手付金は、諸費用ではなく、代金の一部です。ただし、契約のときに現金が必要になります。

払えないとき、考えられる3つの道

手元の現金で足りないときは、3つの道があります。減らす、借りる、延ばすです。どれが合うかは、家計で変わります。

1つ目:減らす

項目ごとに見積もりを取って、比べます。保険は、補償と年数で金額が変わる項目です。仲介手数料は、上限の計算と見積書を照らし合わせます。司法書士の報酬や建物状況調査も、会社を比べられます。

物件の価格や改修費を見直す方法もあります。価格が下がれば、仲介手数料や税金も小さくなり、借入額も減ります。

2つ目:借りる(諸費用をローンに含める)

金融機関や商品によっては、諸費用をローンに含められます。諸費用ローンや、フルローンと呼ばれるものです。使えるかどうかは、審査と商品で決まります。

架空の家計例諸費用の200万円を借りると、借入は3,100万円から3,300万円に増えます。金利と期間が同じなら、月の返済は、9.0万円から9.6万円です。総支払利息は、698万円から743万円になります。

借入3,100万円借入3,300万円
月の返済額9.0万円9.6万円
総支払利息698万円743万円
現金(諸費用の分)200万円が必要手元に残る

架空の家計例。変動金利1.2%・35年・元利均等返済で、金利は変わらない前提です。諸費用ローンの金利が高くなる場合は、含めていません。

現金は、手元に残ります。その代わり、返済は月に約0.6万円、利息は約45万円の増加です。借入が増えると、返済負担率も上がり、審査に影響する場合があります。

3つ目:延ばす

購入の時期を延ばして、現金を貯める道もあります。次の章で、賃貸を続ける場合とあわせて見ます。

どの道でも、生活費の数か月分は、手元に残す考え方があります。諸費用で貯金を使い切ると、修繕や病気のときに困るためです。

賃貸を続ける、購入を延ばすという選択

諸費用が払えないと感じたときは、買うのを急がない選択もあります。購入するかどうかは、家計と暮らし方で決めるものです。この記事は、購入をすすめるものではありません。

架空の家計例193万円を貯める時間を考えます。毎月の貯蓄額で、届くまでの期間は次のようになります。

毎月の貯蓄額193万円に届くまで
3万円約64か月(約5年4か月)
5万円約39か月(約3年3か月)
8万円約24か月(約2年)

架空の家計例。利息や運用益、家賃の変化は考えていません。

延ばす間に、条件が変わることがあります。価格・金利・制度の期限は、そのひとつです。この記事で見た軽減措置には、2027年3月31日までの期限があるものがあります。期限のあとが延長か変更かは、現時点では分かりません。

延ばすかどうかは、期限だけで決めるものではありません。軽減が使えなくなった場合の金額も、見積もりに入れて比べてください。

賃貸を続けるときに、見ておくこと

  • 家賃と更新料を払ったうえで、毎月いくら貯められるか
  • 子どもの教育費が重なる時期に、貯蓄が続けられるか
  • 高齢期に、家賃を払い続ける費用と、住まいの選択肢
  • 購入した場合の毎月の返済と、並べて比べたときの差

賃貸を続ける場合も入れた比較は、中古と新築を比べた記事と比較ツールで、自分の数字に置き換えられます。

自分の見積もりに当てはめる手順

ここまでの金額は、架空の例です。自分の場合は、次の順で確かめると、無理がありません。

  1. 物件の販売図面で、物件価格を確かめる。固定資産税の評価額は、不動産会社に聞く
  2. 仲介手数料の上限を計算し、見積書の金額と比べる
  3. 借りる金融機関ごとに、事務手数料・保証料・団信の扱いを確認する
  4. 火災保険・地震保険の見積もりを、複数社から取る
  5. 合計を比較ツールの諸費用欄と自己資金欄に入れ、現金が足りるかを見る

見積書を見るときのチェック

  • 項目が分かれているか。「その他諸経費」とだけ書かれた項目がないか
  • 含まれていない費用は何か
  • 支払う相手と、支払う時期
  • 手数料の計算の根拠(割合や上限)

見積書は、複数の会社や金融機関から取り、同じ項目で並べて比べます。数字は、書面や画面で残しておくと、あとで確かめられます。

この計算でできないこと

どんな計算も、前提の外のことは映しません。この記事の数字には、次のことが入っていません。

  • 実際の評価額や、土地と建物の内訳(物件ごとに違います)
  • 金融機関ごとの手数料・保証料・金利の違い
  • 売主との取り決めや、地域の慣習
  • 税制改正と、軽減措置の期限が過ぎたあとの扱い
  • 改修費・引っ越し・家具・家電
  • 税の減額や控除が使えるかどうかの判断

目的は、金額を言い当てることではありません。どの項目に、どれだけ幅があるのかを知ることです。

出典と確認日(2026年10月5日)

印紙税:国税庁 タックスアンサー No.7108、No.7140。契約書を作る時期や金額で変わります。

登録免許税:国税庁 タックスアンサー No.7191。

不動産取得税:福岡県の不動産取得税の案内(PDF)。

仲介手数料の上限:宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額(建設省告示)の掲載ページ(大阪府)。

金額は概算で、実際の額とは異なります。税や契約の相談の代わりにはなりません。

よくある質問

中古住宅の諸費用は、物件価格のどのくらいですか?

物件・金融機関・保険で変わるため、一律の割合は示せません。この記事の架空の例では、2,800万円の物件で約193万円、約7%でした。自分の見積もりで確かめてください。

仲介手数料は、いつも物件価格の3%と6万円ですか?

いいえ。国の告示で決まっているのは上限です。実際の額は、不動産会社との契約で決まります。800万円以下の物件には、別の特例の上限もあります。

不動産取得税は、必ず払うのですか?

税額は、評価額と控除で決まる仕組みです。建物が控除の範囲に収まれば、建物の分は0円になる場合があります。土地の軽減や減額で、税額が下がる場合もあります。納税通知書の金額で確認してください。

諸費用ローンは、誰でも使えますか?

使えるとは限りません。金融機関と商品の取り扱いや、審査で決まります。使える場合も、借入と利息は増えます。この記事の例では、200万円を借りると、利息が約45万円増えました。

現金がほとんどなくても、買えますか?

一概には言えません。審査と商品の条件しだいです。買えても、手元の現金が少ないと、修繕や教育費で困ることがあります。生活費の数か月分は、手元に残す考え方があります。

運営者は、FPや不動産の資格を持っていますか?

持っていません。個人が運営しています。個別の住宅ローンの審査・物件の可否・税務や法律の相談には、お応えできません。数字は、公的情報・運営者の体験・架空の例を分けて表示しています。

まとめ

2,800万円の中古住宅の例では、諸費用は約193万円でした。公的に決まる項目は小さく、差が出るのは、仲介手数料・保険・ローンの手数料です。

払えないときは、減らす・借りる・延ばすの3つを考えます。賃貸を続ける道も、同じ表に置いて比べられます。次にすることは、見積書を集めて比較ツールに入れ、現金が足りるかを見ることです。

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