中古住宅でも、住宅ローン控除は使えると聞きます。ただ、築年数や住宅の区分で条件が変わり、自分の場合が分かりにくいものです。
そこでこの記事では、国税庁の案内をもとに、中古住宅の条件・区分・限度額を表にまとめました。3,100万円を借りる架空の例で、控除額も計算しています。
数字は、公的情報と架空の例に分け、出典と確認日を付けています。制度は変わるため、使う前に最新の案内を確認してください。
先に結論を言うと、使えるかどうかは築年数と書類で決まり、いくら戻るかは住宅の区分で決まります。この例では、区分によって合計140万円から230万円まで開きました。
この記事でわかること
- 2026年以降に入居する中古住宅の、控除を受ける条件
- 築年数・省エネ区分ごとの、限度額と控除期間
- 子育て・若者夫婦世帯の上乗せと、控除額の計算例
運営者は、福岡県に住み、中古住宅(中古+改修)を検討している個人です。購入した実績や、FP・税理士などの資格はありません。詳しくは運営者情報に書いています。税の判断は、税務署や税理士にご相談ください。
結論:使えるかは築年数、いくらかは区分で決まる
架空の家計例借入3,100万円・変動金利1.2%・35年の例で、控除の合計額を比べました。世帯は、35歳と33歳の夫婦と、4歳と1歳の子どもです。
控除の合計額(万円・架空の例)
架空の家計例。所得税と住民税から引ける額の上限は、収入から概算して反映しています。実際の額とは異なります。
同じ借入でも、区分が「その他」か「省エネ基準適合」か「認定長期優良・ZEH水準」かで、控除の合計が変わりました。最も大きい区分と、最も小さい区分の差は、90万円です。
ただし、控除は、払った所得税と住民税が戻る仕組みです。毎月の返済額は変わりません。区分は、物件ごとの証明書で決まるため、買う前の確認が欠かせません。
| 区分(中古) | 期間 | 1年目(万円) | 合計(万円) |
|---|---|---|---|
| その他の住宅 | 10年 | 14 | 140 |
| 省エネ基準適合住宅 | 13年 | 14 | 182 |
| 認定長期優良・ZEH水準 | 13年 | 約19 | 230 |
| 特例対象個人・省エネ基準適合 | 13年 | 約19 | 230 |
架空の家計例。1年目は、世帯の税額の枠(概算で約19万円)で頭打ちになります。特例対象個人は、後の章で説明します。
この記事の数字の出どころ(3つに分けて載せます)
お金の話では、数字がどこから来たのかが分からないと、判断のしようがありません。この記事の数字は、次の3つに分けて表示します。
| 区分 | 意味 | この記事での例 |
|---|---|---|
| 公的・一次情報 | 国や公的機関が公表している情報。出典と確認日を付けます | 条件・区分・限度額・控除期間・手続き |
| 運営者の体験 | 運営者自身の体験。匿名化し、金額は丸めます | この記事では使っていません |
| 架空の家計例 | 条件を決めて作った計算例。実在の世帯ではありません | 借入3,100万円の控除額の計算 |
公的な情報は、2026年10月5日に国税庁と国土交通省の公式ページで確認しました。制度は、年度の税制改正で変わります。2025年までに入居した場合の表は、国税庁のページにあります。
使える中古住宅の条件:築年数・面積・買い手
住宅の条件:1981年以後の建築か、耐震基準の証明
公的・一次情報中古住宅の控除には、築年数の要件があります。次のどれかに当たる必要があります。
- 1981年1月1日以後に建築された住宅
- 取得の日前2年以内に、耐震基準に適合すると証明された住宅
- 耐震改修の計画を出し、居住するまでに基準を満たすと証明される住宅
1981年より前の建築でも、書類がそろえば、対象になる場合があります。次のどれかが必要です。
- 建築士等が発行した耐震基準適合証明書(取得の日前2年以内に調査が終わったもの)
- 登録住宅性能評価機関の建設住宅性能評価書(耐震等級が1から3のもの)
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書
いずれも、契約前に手配が必要になる場合があります。築年数が古い物件を見るときは、先に、どの書類で証明できるかを確かめます。
床面積と居住の条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 床面積 | 50㎡以上で、床面積の2分の1以上を自分の居住に使う |
| 40㎡以上50㎡未満 | 特例既存住宅。合計所得金額が1,000万円以下の場合 |
| 居住の時期 | 取得から6か月以内に住み始め、その年の12月31日まで住み続ける |
| 所得 | 合計所得金額が2,000万円以下 |
出典:国税庁 No.1211-3(確認日:2026年10月5日)。
国土交通省の資料には、子育て世帯などの上乗せを使う場合は、床面積50㎡以上が求められる旨の記載もあります。該当するときは、公式の案内で確認してください。
買い手とローンの条件
- 返済期間が10年以上のローンであること
- 2つ以上の住宅を持つときは、主に住む住宅であること
- 親族や特別な関係のある人からの取得でないこと
- 贈与による取得でないこと
- 居住した年の前2年と後3年を含む6年間に、一部の譲渡所得の特例を使っていないこと
これらの要件は、年や状況で細かく変わります。実際に使えるかは、税務署の案内か、税理士に確認してください。
区分と限度額:2026年以降に入居する場合
公的・一次情報限度額と控除期間は、住宅の区分で決まります。次の表は、2026年から2030年に入居した、中古住宅の場合です。
| 区分(中古) | 控除期間 | 控除限度額(年) | 借入限度額の目安 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良・認定低炭素 | 13年 | 24.5万円 | 3,500万円 |
| ZEH水準省エネ | 13年 | 24.5万円 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合 | 13年 | 14万円 | 2,000万円 |
| その他 | 10年 | 14万円 | 2,000万円 |
出典:国税庁 No.1211-3(確認日:2026年10月5日)。借入限度額の目安は、控除限度額を0.7%で割った額です。控除額は、年末の借入残高×0.7%で、限度額が上限です。
同じ中古住宅でも、省エネ性能が高い区分ほど、限度額と期間が有利です。一方、築年数がたった住宅は、区分を示す書類が出せない場合もあります。その場合は、「その他」になります。
子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せ(特例対象個人)
公的・一次情報次のどれかに当たる人は、特例対象個人として、限度額が上乗せされます。判定は、居住した年の12月31日の時点です。
- 40歳未満で、配偶者がいる人
- 40歳以上で、40歳未満の配偶者がいる人
- 19歳未満の扶養親族がいる人
| 区分(中古) | 通常の限度額 | 特例対象個人 |
|---|---|---|
| 認定長期優良・認定低炭素 | 24.5万円(3,500万円) | 31.5万円(4,500万円) |
| ZEH水準省エネ | 24.5万円(3,500万円) | 31.5万円(4,500万円) |
| 省エネ基準適合 | 14万円(2,000万円) | 21万円(3,000万円) |
| その他 | 14万円(2,000万円) | 上乗せの記載なし |
出典:国税庁 No.1211-3・No.1211-1(確認日:2026年10月5日)。カッコ内は借入限度額の目安です。上乗せには、住宅の区分などの細かい条件があります。
上乗せの効果は、借入額が限度額を超えるほど大きくなります。借入が少なければ、通常の限度額の範囲に収まり、差が出ません。
比較ツールでは、年齢と子の年齢から、上乗せを自動で判定します。使う場合と使わない場合は、控除の欄で切り替えられます。
区分を決めるのは、物件の書類
区分は、売主や不動産会社の説明ではなく、証明書類で決まります。国税庁の案内では、区分ごとに、次のような書類が挙げられています。
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 認定長期優良 | 認定通知書の写し、住宅用家屋証明書、認定長期優良住宅建築証明書 |
| ZEH水準省エネ | 住宅省エネルギー性能証明書、建設住宅性能評価書(断熱等性能等級5以上・一次エネルギー消費量等級6以上) |
| 省エネ基準適合 | 住宅省エネルギー性能証明書、建築基準法の検査済証の写し(2026年1月1日以降の居住)、建設住宅性能評価書(断熱等性能等級4以上・一次エネルギー消費量等級4以上) |
出典:国税庁 No.1211-3(確認日:2026年10月5日)。書類は買主名義で発行できるものもあります。費用と時期は、建築士事務所などに確認してください。
購入を決める前に、売主や不動産会社に、どの区分で書類が出せるかを聞きます。出せない場合は、取得後に証明書を取れるかも、あわせて確認します。
3,100万円を借りた例で、控除額を計算する
架空の家計例借入3,100万円・変動金利1.2%・35年・元利均等返済の例です。世帯は、本人35歳(額面年収520万円)と配偶者33歳(額面150万円)です。4歳と1歳の子どもがいて、特例対象個人に当たります。
年末の借入残高は、返済とともに減ります。1年目の末は約3,028万円です。5年目・10年目・13年目の末は、約2,733万円・約2,343万円・約2,097万円です。
| 区分 | 期間 | 1年目 | 10年目 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| その他 | 10年 | 14.0 | 14.0 | 140 |
| 省エネ基準適合 | 13年 | 14.0 | 14.0 | 182 |
| 認定長期優良・ZEH水準 | 13年 | 約19.3 | 16.4 | 230 |
| 特例対象個人・省エネ基準適合 | 13年 | 約19.3 | 16.4 | 230 |
架空の家計例で、単位は万円。1年目は、税額の枠の概算(約19.3万円)が上限です。10年目は、年末残高2,343万円×0.7%です。
区分で、控除の中身が変わる
「その他」と「省エネ基準適合」は、限度額が2,000万円です。残高が2,000万円を超える間は、毎年14万円で変わりません。違いは、期間が10年か13年かです。
「認定長期優良・ZEH水準」は、限度額が3,500万円です。この例では、借入が限度額の範囲に収まります。毎年、年末残高の0.7%が控除されます。
特例対象個人の「省エネ基準適合」は、限度額が3,000万円です。この例では、ほぼ同じ額になりました。借入が3,100万円と、限度額に近いためです。
控除には、税額の枠がある
住宅ローン控除は、所得税と住民税から引かれます。収入が少ない、扶養が多いなどで払う税金が少ないと、引ける額も小さくなります。
この例では、1年目の枠が約19.3万円で、認定長期優良・ZEH水準の上限(約21.2万円)に届きません。自分の枠は、源泉徴収票や、税務署への確認で調べます。
控除を見込んだ家計は、見込まない場合と並べて見ると安心です。この例では、控除がなければ、手元に残るお金が140万円から230万円少なくなります。
手続き:1年目は確定申告、2年目から年末調整
公的・一次情報控除を受けるには、手続きが必要です。国税庁の案内では、次の流れです。
| 時期 | 手続き |
|---|---|
| 入居した年の翌年 | 確定申告書に、必要書類を添えて、税務署に出す |
| 2年目以降 | 会社員は、年末調整で受けられる。税務署から届く証明書と、金融機関の年末残高等証明書を、勤務先に出す |
1年目の申告には、年末残高等証明書・登記事項証明書・売買契約書の写し・区分に応じた証明書が必要です。物件の書類は、引き渡しのときに、そろえておくと安心です。
このほか、増改築を併せて行う場合の扱いは、この記事では扱っていません。リフォームを予定している人は、国税庁の別の案内で確認してください。
買う前に確認する6つのこと
- 登記事項証明書で、建築の年月日を確かめる(1981年1月1日以後か)
- 床面積を確かめる(50㎡以上か、40㎡以上50㎡未満か)
- 売主や不動産会社に、区分を示す書類が出せるかを聞く
- 取得から6か月以内に住み始められるかを確かめる
- 売主が親族や特別な関係の人でないかを確かめる
- 返済期間が10年以上のローンになっているかを確かめる
どれか1つでも当てはまらないと、控除は受けられません。買う前に、1つずつ書面で確かめておくと、あとで困りません。諸費用や現金の準備は、中古住宅の諸費用の記事もご覧ください。
賃貸を続ける、購入を延ばすという選択
控除は、購入して住宅ローンを組んだ人だけが受けられる制度です。控除があるから買う、と考える必要はありません。購入するかどうかは、家計と暮らし方で決めるものです。
国土交通省のページでは、この控除は2030年12月31日までの入居が対象です。購入を数年延ばしても、期限内なら、使える可能性があります。ただし、条件は、将来の改正で変わることもあります。
架空の家計例この記事の例では、控除の合計は140万円から230万円でした。この金額は、購入しなければ得られません。一方、購入の家計は、返済・修繕・税金・保険を払い続けたうえでの数字です。
賃貸を続ける場合も入れた比較は、中古と新築を比べた記事と比較ツールで、自分の数字に置き換えられます。控除を見込む場合と、見込まない場合の、両方を見てください。
この記事でできないこと
この記事は、制度の全体像と、簡易な計算例を示すものです。次のことは、扱っていません。
- 実際の控除額(年末残高等証明書と、税額で決まります)
- 物件が、どの区分に当たるかの判断
- 2025年までに入居した場合の条件
- 増改築を併せた場合や、買取再販住宅の扱い
- 今後の税制改正
- 税の個別の相談
控除の可否や金額は、税務署か税理士に確認してください。この記事の目的は、確認すべき点を、先に知っておくことです。
国税庁 タックスアンサー No.1211-3(中古住宅):中古住宅の要件・区分・控除限度額・手続き。
国税庁 No.1211-1:特例対象個人の定義。
国土交通省の住宅ローン減税のページ:適用期限(2030年12月31日までの入居)、床面積の要件。
金額は概算で、実際の額とは異なります。税の相談の代わりにはなりません。
よくある質問
築年数が古い中古住宅でも、住宅ローン控除は使えますか?
築年数の要件は、1981年1月1日以後の建築であれば問題ありません。それより古くても、耐震基準適合証明書などの書類がそろえば、対象になる場合があります。書類は、取得の日前2年以内の調査が必要なものもあります。
床面積が40㎡台の中古でも、使えますか?
40㎡以上50㎡未満は、特例既存住宅として、合計所得金額が1,000万円以下の場合に使えます。50㎡以上なら、所得の上限は2,000万円です。上乗せを使う場合の面積は、公式の案内で確認してください。
住宅ローン控除は、中古だと何年ですか?
区分で変わります。省エネ性能の高い区分は13年で、その他の住宅は10年です。2026年以降に入居する場合の区分ごとの期間は、記事内の表にあります。
子育て世帯の上乗せは、中古でも使えますか?
使える区分があります。認定長期優良・ZEH水準・省エネ基準適合では、限度額が上乗せされます。「その他」の住宅には、上乗せの記載がありません。借入額が少ない場合は、効果が出ないこともあります。
控除を受けられる最大の額は、いくらですか?
区分と借入額で変わります。年の控除限度額は、通常で14万円から24.5万円、特例対象個人で21万円から31.5万円です。実際の額は、年末の借入残高と、払う税額の枠で決まります。
運営者は、税理士やFPの資格を持っていますか?
持っていません。個人が運営しています。税の個別の相談には、お応えできません。数字は、公的情報・運営者の体験・架空の例を分けて表示しています。
まとめ
中古住宅の住宅ローン控除は、築年数と書類で使えるかが決まり、区分で金額が決まります。この例では、合計が140万円から230万円まで開きました。
次にすることは、気になる物件の建築年と、区分を示す書類を確かめることです。控除を見込む場合と、見込まない場合を、比較ツールで並べて見てください。


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