住宅ローンを組むとき、変動金利にするか固定金利にするかは、多くの人が迷う点です。変動は今の金利が低く、固定は金利が高いものの、返済額が決まる安心があります。
そこでこの記事では、同じ3,100万円を借りる架空の例で、変動金利と全期間固定(フラット35)を並べました。月額・総利息・85歳までの家計・金利が上がったときの逆転点を、同じ表で比べています。
先に結論を言うと、金利が上がらなければ、変動が大きく有利でした。ただし、固定の月額を払える家計かどうかが、先に分かれる結果です。
この記事でわかること
- 変動と固定で、月額と総利息がどれだけ違うか
- 変動金利が、固定より不利になる上昇幅
- 選ぶ前に、確かめる点
運営者は、福岡県に住み、中古住宅(中古+改修)を検討している個人です。購入した実績や、FP・金融機関の資格はありません。詳しくは運営者情報に書いています。ローンの個別の相談には、お応えできません。
結論:変動は月額が軽く、固定は月額が決まる
架空の家計例借入3,100万円・35年・元利均等返済の例です。変動金利は1.2%、全期間固定は、2026年10月のフラット35の最多金利3.83%で計算しました。
月の返済額(万円・架空の例)
架空の家計例。借入3,100万円・35年・元利均等返済で、変動は金利が変わらない前提です。
| 変動1.2% | 固定3.83% | |
|---|---|---|
| 月の返済額 | 9.04万円 | 13.41万円 |
| 総支払利息 | 698万円 | 2,533万円 |
| 85歳の預貯金・投資 | 924万円 | −1,413万円 |
| 預貯金が足りなくなる年齢 | なし | 50歳 |
架空の家計例(中古+改修・総額3,400万円・自己資金300万円)。変動の金利は変わらない前提で、金利が上がる場合は、後の表で見ます。
固定にすると、月の返済は4.37万円増え、総利息は1,835万円増えます。この世帯では、固定の月額を払い続けると、50歳で預貯金が足りなくなる結果でした。
ただし、この比較は、変動の金利が変わらない場合です。変動の金利が上がると、結果は変わります。どこまで上がると逆転するかを、次の章以降で見ていきます。
この記事の数字の出どころ(3つに分けて載せます)
お金の話では、数字がどこから来たのかが分からないと、判断のしようがありません。この記事の数字は、次の3つに分けて表示します。
| 区分 | 意味 | この記事での例 |
|---|---|---|
| 公的・一次情報 | 国や公的機関が公表している情報。出典と確認日を付けます | フラット35の金利 |
| 運営者の体験 | 運営者自身の体験。匿名化し、金額は丸めます | この記事では使っていません |
| 架空の家計例 | 条件を決めて作った計算例。実在の世帯ではありません | 変動・固定の返済と、家計への影響 |
公的な情報は、2026年10月5日に公式ページで確認しました。銀行の金利は、報道や比較サイトで確認したもので、公式の数字ではありません。最新の金利は、各行で確認してください。
変動金利と固定金利のしくみ
2026年10月の金利の水準
公的・一次情報2026年10月のフラット35の金利です。借入期間21年以上35年以下で融資率9割以下なら、年3.830%〜5.840%でした。最も多い金利は年3.830%です。融資率が9割を超えると、最も多い金利は年3.940%でした。出典は、フラット35の金利情報(住宅金融支援機構)です(確認日:2026年10月5日)。
銀行の金利は、比較サイトの記事によると、次のとおりです。
| 種類 | 金利の例(2026年10月) |
|---|---|
| 変動金利(新規借入) | みずほ銀行1.275%・三菱UFJ銀行1.195%・三井住友銀行1.525%・楽天銀行1.747%・ソニー銀行1.847%など |
| 10年固定 | ソニー銀行3.715%・楽天銀行4.074% |
| 全期間固定(フラット35) | 最多金利3.830%(融資率9割以下) |
出典:ダイヤモンド不動産研究所の記事・モゲチェックの記事(確認日:2026年10月5日)。比較サイトの数字で、公式の数字ではありません。条件や審査で、実際の金利は変わります。
同じ月でも、変動は1%台で、固定は3%台後半です。差は大きくなっています。報道によると、日銀は2026年9月18日に政策金利を1.00%から1.25%に引き上げました。多くの銀行は、この引き上げを、2027年7月ごろの返済分から反映する予定とされています。
変動金利は、返済額が変わらない期間がある
変動金利は、金利が半年ごとに見直される仕組みです。ただ、返済額の見直しは、5年ごとの商品が多く見られます。これが「5年ルール」です。見直しの上がり幅を1.25倍までに抑える「125%ルール」を持つ銀行もあります。
どちらのルールも、金融機関と商品によって、あるかどうかが違います。例として、楽天銀行の「5年ルール・125%ルール」の解説を確認しました(確認日:2026年10月5日)。
注意したいのは、ルールがあっても、利息の負担は消えないことです。金利が大きく上がると、返済額のほとんどが利息になり、元金が減らなくなる場合があります。払いきれなかった利息は「未払利息」としてたまり、あとで払うことになります。
固定金利は、将来の上昇ぶんも含む
固定金利が高めなのは、将来の金利上昇のリスクを、銀行側が引き受けているためです。借りる側は、その分を金利で払う代わりに、返済額が最初から最後まで決まります。
計算に使った家計の前提
架空の家計例実在の世帯ではありません。条件は、比較ツールの入力欄と対応しています。
| 項目 | 想定 |
|---|---|
| 世帯 | 本人35歳(額面年収520万円・手取り400万円)、配偶者33歳(額面150万円・手取り140万円)、子ども4歳と1歳 |
| 預貯金・投資 | 500万円(運用利回りは年1%) |
| 生活費・教育費 | 生活費は月17万円。教育費は、年齢に応じて月2万〜10万円(1人あたり) |
| 住宅 | 中古+改修。物件2,800万円、改修400万円、諸費用200万円(総額3,400万円)。自己資金300万円、借入3,100万円 |
| ローン | 35年、元利均等返済。変動は1.2%、固定は3.83% |
| 維持費 | 固定資産税10万円(年額)、火災・地震保険3万円(年額)、修繕の積立は月1万円 |
| 大きな修繕 | 200万円(12年後) |
| 住宅ローン控除 | 「既存・その他」(限度額2,000万円・10年) |
架空の家計例。物価や賃金の上昇は考えていません。比べる85歳時点は、本人が35歳から50年後です。
変動金利が上がると、どこで逆転するか
架空の家計例変動金利が、5年後または10年後に上がり、その後は変わらない場合を試しました。固定の「85歳の預貯金・投資」は、−1,413万円です。この数字と、どこで並ぶかを見ます。
| 上がる幅 | 5年後に上昇 | 10年後に上昇 |
|---|---|---|
| なし | 924万円 | 924万円 |
| +0.5% | 605万円 | 706万円 |
| +1% | 272万円 | 480万円 |
| +2% | −422万円 | 5万円 |
| +3% | −1,071万円 | −481万円 |
| +4% | −1,704万円 | −946万円 |
| +5% | −2,340万円 | −1,410万円 |
架空の家計例。数字は、85歳時点の預貯金・投資です。変動金利1.2%が上がる幅だけ上がり、その後は変わらない前提です。固定3.83%の85歳の資産は、−1,413万円となります。
固定と並ぶのは、5年後に上がる場合で、約+3.5%(1.2%から約4.7%)です。10年後に上がる場合は、約+5%(約6.2%)でした。この例では、固定より変動が不利になるには、大きな上昇が必要です。
ただし、この結果は、固定の金利が3.83%と高いことが前提です。固定の金利が下がれば、並ぶ上昇幅も小さくなります。金利は毎月変わるため、借りる時点の数字で、計算し直してください。
上がったあとの返済額で、家計が持つかを見る
資産が残るかどうかとは別に、毎月の返済額が払えるかも、確かめる点です。上がった直後の月の返済額は、次のとおりです。
| 上がる幅 | 5年後に上昇 | 10年後に上昇 |
|---|---|---|
| なし | 9.04万円 | 9.04万円 |
| +1% | 10.38万円 | 10.16万円 |
| +2% | 11.82万円 | 11.35万円 |
| +3% | 13.36万円 | 12.63万円 |
| +4% | 15.01万円 | 13.97万円 |
架空の家計例。数字は、上がった直後の月の返済額です。上がった時点の残高を、残りの期間で返す計算です。5年ルールなどで、上がり幅を抑える商品では、この表と違います。
5年後に+3%上がると、月の返済は13.36万円で、固定の13.41万円とほぼ同じになります。固定の月額を払えない家計は、変動で大きく上がったときも、払えなくなる可能性があります。
変動を選ぶ場合は、上がったあとの月額を払い続けられるか、先に確かめておくことが大切です。
固定を選ぶと、借りられる額が減る
この例では、固定の月額13.41万円を払うのは、苦しい家計でした。同じ月額9.04万円で借りられる額は、固定3.83%・35年で、約2,090万円です。変動1.2%の3,100万円より、約1,010万円少ない額です。
固定にしたいなら、借入額を減らすか、物件の予算を下げる形です。頭金を増やす方法もあります。手元の現金が減る点は、頭金の記事で確認できます。返済期間を延ばす方法は、住宅ローン40年の記事に書きました。
選ぶ前に、確かめる5点
- 今の変動金利と、固定金利の差を、借りる時点の数字で確かめる
- 上がったあとの月額(+2%・+3%)を、払い続けられるか計算する
- 5年ルール・125%ルールの有無と、未払利息の扱いを聞く
- 固定の月額で、毎月の家計と教育費の山が収まるか見る
- 金利が上がったとき、繰上返済や借り換えで備えられるかを考える
どちらが得かは、将来の金利で決まります。将来の金利は、誰にも分かりません。分かるのは、「上がったときに、家計が持つか」だけです。
賃貸を続ける、購入を延ばすという選択
金利が大きく動いている時期は、購入を延ばして、様子を見る考え方があります。賃貸を続ける間は、家賃を払い続けます。その代わり、金利の上昇による返済額の増加は、受けません。
延ばしている間に、価格や金利が下がるとは限りません。上がる場合もあります。賃貸を続ける場合も入れた比較は、中古と新築を比べた記事と比較ツールで、自分の数字に置き換えられます。
この記事でできないこと
この記事は、変動と固定の違いを、簡易な計算で見るものです。次のことは、扱っていません。
- 10年固定など、固定期間選択型の計算
- 変動と固定を組み合わせるローンの計算
- 5年ルール・125%ルールによる返済額の上限
- 銀行ごとの金利の差と、審査の結果
- 今後の金利と、制度の変更
目的は、金利が動いたときに、家計がどう変わるかを知ることです。実際の判断は、金融機関の説明と、自分の家計で確かめてください。
銀行の金利・日銀の動き:ダイヤモンド不動産研究所の記事・モゲチェックの記事(比較サイトの報道)。
5年ルール・125%ルール:楽天銀行の「5年ルール・125%ルール」の解説。
このページの計算は、簡易なものです。実際の返済額は、金融機関の条件で変わります。融資や税の相談の代わりにはなりません。
よくある質問
住宅ローンは、変動と固定のどちらが得ですか?
金利の動き次第で、どちらも得になりえます。この記事の例では、金利が変わらなければ、変動が大きく有利でした。上がると逆転します。上がったあとも払えるかで、選ぶことが大切です。
変動金利が上がると、返済額はすぐに増えますか?
商品によります。5年ルールのある商品は、返済額が5年間変わらず、見直しのときに変わります。ただし、利息の割合が増えて、元金の減りが遅くなる点は同じです。
5年ルールや125%ルールがあれば、安心ですか?
返済額の上がり方は抑えられますが、利息の負担は消えません。払いきれなかった利息は、未払利息として残る場合があります。ルールの有無と、未払利息の扱いを、契約前に確認してください。
フラット35の金利は、どこで確認できますか?
住宅金融支援機構のサイトで、毎月の金利が公表されています。金利は、借入期間・融資率・団信の種類で変わります。この記事の数字は、2026年10月の最多金利です。
固定金利にすれば、安全ですか?
返済額は決まりますが、金利が高い分、月額は大きくなります。この記事の例では、固定の月額を払い続けると、50歳で預貯金が足りなくなりました。払える月額かを、先に確かめてください。
運営者は、FPや金融機関の資格を持っていますか?
持っていません。個人が運営しています。個別のローンの審査や、借り方の相談には、お応えできません。数字は、公的情報・運営者の体験・架空の例を分けて表示しています。
まとめ
変動金利は、金利が変わらなければ、月額も総額も軽くなります。固定金利は、返済額が決まる代わりに、月額が大きくなります。
次にすることは、上がったあとの月額を、払い続けられるか計算することです。変動と固定の違いは、比較ツールで並べて見られます。


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