住宅ローンシミュレーションの見方|資産の最小値とマイナス年

住宅ローンシミュレーションの結果の見方。パソコンの画面に資産の最小値とマイナス年が表示されたイメージ

比較ツールに数字を入れると、3案の結果が並びます。ただ、数字が出たあとに、どれをどう読めばよいのか迷う人は多いはずです。

この記事は、結果の見方を、同じ家計の架空の例で説明するものです。「85歳の預貯金」がプラスでも、安心とは言えない場合があります。その理由も、数字で見ます。

先に結論を言うと、1つの数字では決めません。次の3つを、この順に見ます。「マイナスになる年齢」「資産の最小値」「85歳の預貯金」です。理由は、年ごとの内訳で確かめます。

この記事でわかること

  • 結果の各項目が、何を表しているか
  • 数字が同じでも、読み方で判断が変わる例
  • 結果が悪いときに、まず変える数字

運営者は、福岡県に住み、中古住宅(中古+改修)を検討している個人です。購入した実績や、FP・金融機関の資格はありません。詳しくは運営者情報に書いています。個別のローンの相談には、お応えできません。

目次

結論:3つの数字を、この順に見る

順見る項目分かること
1マイナスになる年齢お金が足りなくなる年があるか
2資産の最小値(年齢)手元の預貯金が、いちばん少ない額と時期
385歳の預貯金・投資最後に、いくら残るか
4月返済・毎月の住居費毎月の家計で、払える額か

入力の順番は、ツールの使い方の記事に載せています。

入力の順番と画面の見方は、ツールの使い方の記事に書きました。この記事では、出てきた数字の読み方に絞ります。

この記事の数字の出どころ(3つに分けて載せます)

区分意味この記事での例
公的・一次情報国や公的機関が公表している情報。出典と確認日を付けますこの記事では使っていません
運営者の体験運営者自身の体験。匿名化し、金額は丸めますこの記事では使っていません
架空の家計例条件を決めて作った計算例。実在の世帯ではありませんすべての数字

この記事の数字は、すべて、比較ツールで計算した架空の例です。実在の世帯や、実際の物件の数字ではありません。

例に使う家計の前提

架空の家計例ほかの記事と同じ家計です。本人35歳(額面520万円・手取り400万円)と、配偶者33歳(額面150万円・手取り140万円)。子は4歳と1歳で、預貯金は500万円です。

項目中古+改修新築賃貸
総額3,400万円3,400万円―
自己資金300万円300万円―
借入3,100万円3,100万円―
金利・期間変動1.2%・35年変動1.2%・35年―
家賃――8万円

架空の家計例。表の「万」は万円です。住宅ローン控除は、既存・その他の区分(限度額2,000万円・10年)で入れています。

結果の各項目が表すもの

架空の家計例上の家計で、初期の入力のまま計算した結果です。

項目中古新築賃貸
85歳の預貯金・投資924万942万1,746万
資産の最小値314万(35歳)316万(35歳)639万(35歳)
マイナスになる年齢なしなしなし
ローンの月返済9.04万9.04万―
毎月の住居費(初年)11.13万11.38万8.13万
総支払利息698万698万―

架空の家計例。表の「万」は万円です。毎月の住居費には、大きな修繕と更新料は入りません。

85歳の預貯金・投資

85歳の時点で残る、預貯金と投資の合計です。住宅の価値は入りません。「最終年に残る住宅の価値」に入力すると、その額が、資産の合計に足されます。

資産の最小値

35歳から85歳までで、預貯金と投資が、いちばん少なくなった額です。かっこの中は、その年齢です。この例では、どの案も、購入した直後の35歳が最小でした。

マイナスになる年齢

預貯金と投資が、0円を下回る最初の年齢です。ここでは、お金が足りなくなる年を表します。ツールは、足りない分の支出を、自動では減らしません。そのまま、マイナスで表れます。

ローンの月返済と、毎月の住居費

月返済は、ローンの返済だけの額です。毎月の住居費には、固定資産税・保険・修繕の積立も入ります。中古では、約2.1万円の差です。内訳は、別の記事で整理しました。

返済負担率

年間の返済額を、額面の年収で割った割合です。この例では、世帯年収670万円に対して、約16%です。審査や、借りられる額を表すものではありません。

読み方の例1:85歳がプラスでも、手元が薄い

架空の家計例自己資金を増やして、預貯金を200万円に減らした場合です。ほかの条件は、同じです。

項目中古新築賃貸
85歳の預貯金・投資427万446万1,247万
資産の最小値12万(35歳)14万(35歳)336万(35歳)
マイナスになる年齢なしなしなし

架空の家計例。預貯金500万円を200万円に変えた場合です。表の「万」は万円です。

85歳の預貯金は、プラスです。ただ、最小値は12万円です。購入した直後に、手元がほぼなくなります。この時期の急な出費には、対応できません。

85歳の数字だけを見ていたら、気づけません。「資産の最小値」を、必ず見てください。手元の現金の考え方は、頭金の記事で整理しています。

読み方の例2:マイナスになる年齢と、最小値の年齢

架空の家計例中古の返済を、全期間固定の3.83%にした場合です。ほかの条件は、同じです。

項目中古(変動1.2%)中古(固定3.83%)
ローンの月返済9.04万13.41万
総支払利息698万2,533万
85歳の預貯金・投資924万−1,413万
資産の最小値314万(35歳)−1,413万(85歳)
マイナスになる年齢なし50歳

架空の家計例。表の「万」は万円です。固定3.83%は、2026年10月のフラット35の最多金利に合わせた仮の値です。

固定の場合、最小値の年齢が、85歳になりました。最後まで、預貯金が減り続けたことを表します。マイナスになる年齢は、50歳です。

最小値の年齢が35歳なら、最初が底で、そのあと持ち直しています。終わりに近ければ、最後まで下がり続けた、ということです。この違いで、問題の時期が分かります。変動と固定の違いは、変動と固定の記事で詳しく比べました。

読み方の例3:条件で、順位が入れ替わる

架空の家計例教育費を、初期値の1.5倍と2倍にした場合です。ほかの条件は、同じです。

教育費中古賃貸
初期値924万1,746万
1.5倍−641万(51歳)109万
2倍−1,841万(47歳)−1,421万(52歳)

架空の家計例。数字は85歳の預貯金・投資で、かっこ内はマイナスになる最初の年齢です。「万」は万円です。

1.5倍では、中古が51歳でマイナスになり、賃貸は残りました。2倍では、どちらもマイナスです。ただ、始まる時期は違います。中古は47歳で、賃貸は52歳です。

順位は、条件が変わると入れ替わります。ツールの結果は、結論ではありません。「どの条件で、どちらが不利になるか」を知るために使います。比べ方は、賃貸と持ち家を比べた記事にまとめました。

住宅の価値を入れると、見え方が変わる

初期値では、最終年の住宅の価値は、0円です。「85歳の預貯金・投資」と「資産の合計」は、同じ数字になります。

架空の家計例中古の「最終年に残る住宅の価値」に、820万円を入れた場合です。資産の合計は1,744万円になり、賃貸の1,746万円と、ほぼ並びます。

ただ、住宅の価値は、売却や相続がなければ現金になりません。見込みで入れるときは、根拠を決めて、少なめに置いてください。

結果が悪いときに、先に変える数字

  1. 自己資金と借入額(手元の現金が足りているか)
  2. 返済期間と金利(月の返済と、金利が上がったときの影響)
  3. 改修費と、大きな修繕の額(見積もりで確かめる)
  4. 教育費と、生活費の置き方(家族の予定に合わせる)

一度に、いくつも変えないでください。1つずつ変えて、結果がどう動くかを見ると、効く数字が分かります。借入額の決め方は、年収の何倍までの記事に載せています。

賃貸を続ける・購入を延ばすという選択

結果が厳しいときは、買わない選択もあります。賃貸を続けると、物件の状態や金利の影響を、いまは受けません。

購入を延ばす間に、預貯金を増やしたり、条件を見直したりすることもできます。ツールの「賃貸を続ける」を、比べる相手として使ってください。比べ方は、中古と新築を比べた記事でも使いました。

この記事でできないこと

  • 購入の可否や、借りられる額を判断すること
  • 物価・賃金の上昇や、高齢期の家賃を見込むこと
  • 個別のローンや税金の相談にお応えすること
出典と確認日(2026年10月5日)

この記事の数字は、比較ツールで計算した架空の例です。公的な数字は、新たには載せていません。

実際の結果は、入力する数字で変わります。審査や税の相談の代わりにはなりません。

よくある質問

いちばん大事な数字は、どれですか?

1つには決められません。次の3つを、この順に見ます。マイナスになる年齢、資産の最小値、85歳の預貯金です。理由は、年ごとの内訳で確かめます。

85歳の預貯金がプラスなら、問題ありませんか?

そうとは限りません。最小値が小さいと、途中で手元がほぼなくなる時期があります。急な出費に対応できるか、最小値と時期も見てください。

マイナスになったら、買えないのですか?

買えない、という意味ではありません。その条件では、お金が足りなくなる年がある、という意味です。借入や改修費、教育費の置き方を、見直す材料にしてください。

3案の順位は、そのまま結論になりますか?

なりません。条件が変わると、順位は入れ替わります。どの条件で、どの案が不利になるかを知るために使ってください。

住宅の価値は、入れたほうがよいですか?

売却や相続の予定があり、根拠があるときだけにしてください。入れない場合は、0円のまま、預貯金と投資だけで比べられます。

運営者は、FPや金融機関の資格を持っていますか?

持っていません。個人が運営しています。個別のローンの相談には、お応えできません。数字は、公的情報・運営者の体験・架空の例を分けて表示しています。

まとめ

見る順は、マイナス年齢・最小値・85歳の預貯金です。85歳がプラスでも、最小値が小さければ、手元は薄くなります。

次にすることは、自分の家計の数字を入れて、最小値と時期を確かめることです。数字を入れるときは、比較ツールを使ってください。

次に読むページ

コメント

コメントする

目次